俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「みんな早く大人になりたいにゃ。いつまでもチューガクセイやってらんにゃいもん」


三人の進路は、別々の高校にほぼ決まっていた。


「新しい制服にぃ、新しいオシャレ! そんで、新しい出会い、にゃ☆」

眼を輝かせて語る千鶴に、反論しようとした蒼の言葉が喉にぐっと詰まった。






「――っもう知らない!」


何とか声を絞り出すと、蒼は二人を置いて走り出した。


「待って、あお! ちょっと、ちづ。言いすぎ!」

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