俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「まるで私が王族としても心構えがないように聞こえますわね」
「……」
フレンは声を出さずに、なおも反抗的な視線を送る。
王女は我慢できずに声を震わせた。
「あなたは…いつだってそう…私を見下すような目で…その目…とても…とっても…とーっても憎らしくてよっ!!」
王女が地団駄を踏んで奇声をあげると、椅子に腰掛けていた王が少し肩を震わせた。
「……!!」
「あ、ら…ごめんなさいませ…私としたことが取り乱してしまいましたわ…オホホホ」
王女が王の手を撫でると、また何もなかったかのように王は椅子に深く腰掛けて静かになった。