俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「実の母でも…やってはいけないことがあります!」

リョウの剣先は、真っ直ぐに王女の心臓を狙っていた。

「やってはいけない…こと?」

フレンがリョウの顔を覗き込む。

いつもは温和なリョウが、実の母に対して何故これほどに嫌悪感を抱くのか。



「兄さんの母君を殺したのは…この…僕の母なんだ」


一瞬、王の間に沈黙という静かな嵐がやってきた。



「………え…」

「それだけじゃない…アレオン王も…」





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