俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「私を殺せるのか?」


王女が強気に一歩を踏み出して、さすがにリョウは剣先を少し震わせた。


それを見るなり、王女は微笑みながら猫なで声でリョウに囁いた。

「お前のためでもあるのよ、リョウ。私たち民衆が王族に成り代わるチャンスなのよ。神が、私たちに与えた最高のチャンスなのよ! ねえ、そうでしょう!?」


リョウは、悲しげに、変わり果てた母の姿を見た。



神?


違う、悪魔の間違いだ…


「どうしてこんなことに……」



あれは――





< 308 / 353 >

この作品をシェア

pagetop