俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「散々エルストイを使い民衆を苦しめたのはあなたたちでしょ? アレオンをこんなことにしたのも全部貴族の奴らの仕業だわ!」

「そう…俺たちは…大変な過ちを犯した。だからこそもうこれ以上は…きっと父上もそう思っていたはずだ…だから」

「今更何を言っても無駄よ! 計画は最後まで必ず実行してみせるわ!」


王女は黒い霧を全身に漂わせながら、悪魔のような灰色の翼を広げた。


「母さん!!」


「ちっ…本物の悪魔に成り下がってしまったのか!」


翼を大きく羽ばたかせると、突風が王の間を包んだ。

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