俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第二章 指輪
……――はぁっ、はぁっ、はぁっ
はぁっ、はぁっ、はぁっ……っっ
がむしゃらに走っていた蒼の足が、部活の疲れか。
フラフラと左右に揺れて、つまずきそうになってようやく足を止めた。
「ちづのばかっ」
「……でも、言っていることは正しい」
「でも、でもでもでもでも、それだって、あの言い方はないよ」
息継ぎだけしていた口が、今度は文句ばかり吐き出すようになっていた。