俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

母を殺した女を、フレンはどうしても許せないでいた。


周りは何も言わない。

自分の大事な人を奪った奴…その人を許すことなどできるだろうか。


「…でもっ…」


愕然とするリョウの姿を見ると、蒼は、心が締め付けられた。




そのとき、王女の元へ近づく影があった。


アレオン王だ。



アレオン王は胸のポケットから小さな草の苗を取り出した。

その苗を手で細かく揉みほぐしてから、王女の傷に塗りつけた。


< 326 / 353 >

この作品をシェア

pagetop