俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
母を殺した女を、フレンはどうしても許せないでいた。
周りは何も言わない。
自分の大事な人を奪った奴…その人を許すことなどできるだろうか。
「…でもっ…」
愕然とするリョウの姿を見ると、蒼は、心が締め付けられた。
そのとき、王女の元へ近づく影があった。
アレオン王だ。
アレオン王は胸のポケットから小さな草の苗を取り出した。
その苗を手で細かく揉みほぐしてから、王女の傷に塗りつけた。