俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第十五章 生命
「ん?」
「なに? 地震?」
内から湧き上がるような地鳴りがアレオン国を震わせる。
そのあと突然、足元が大きく揺れ始めた。
「アレオン国が……壊れ始めた…」
真っ黒な雲が大きく渦を巻き、屋上から見える砂漠の土地が大きく波打つ。
振動でまともに立てない蒼たちは、その恐ろしい光景を息を飲んで眺めた。
「これが自然の崩壊…」
塔が振動に耐え切れず、ガラガラと音を立て少しずつ傾き始めた。