俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「わ、私たちはどうなるにゃ!」

千鶴がフレンに攻め寄った。

「大丈夫。お前らは指輪の力で地球に帰ることができるはずだ」

「あお、今のうちに地球に帰りましょう!」

美津子が蒼に声をかけるが、蒼は顔を伏せたまま何も話さない。

「あお?」

「……私はこのまま…アレオン国を放っておけない…」

「何が出来るっていうのよ! もう…アレオン国は…」

「……」

目の前で、国がひとつ、なくなろうとしている。

沢山の人たちが死ぬだろう。

それを自業自得と簡単に言ってしまうのか?



村で出会ったアンのような小さな子供にも――



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