俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「みんなしてぇ! 私をぉ! 馬鹿にしてぇぇえ!」
返事するように水しぶきの音が広がる。
「私だって! 私だって! 私だってええっっ!!」
川に石が消えるたびに、蒼の胸の痛みが少しずつ和らぐ。
しかし、部活後の石投げは想像以上にハードなのか。
右腕がぎしぎし悲鳴を上げ始めた。
「はあ、はあ……よし、これで最後!」
蒼は胸の前で両手を合わせてぐっと構えた。
足を大きく上げて身体を大きく逸らして、まさに腕を振り上げるその瞬間――
「ん!?」