俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

小石ではない別の感触を手の中に感じて、慌ててバランスを崩して尻餅をついた。


「いてて…なっ何?」


そっと手を開く。

手の平には、どんぐりほどの赤い石の付いた指輪が光り輝く。


「わわわわ、ちょ、うそっ!」


別に悪いことをしているわけでもないのに、きょろきょろと辺りを見渡した。


周りは背丈ほども伸びきった雑草が取り囲んでいるし、もちろん人の気配はない。


「ふぅ……よ、よし」

もう一度、

そうっと握り締めた手を解いて、現実に確かに、指輪を確認した。



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