俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
近くで見るほど、現実にいるはずないと錯覚してしまうほどの端正な顔立ち。

艶やかに光る色白の肌にすっと伸びた鼻筋。

エメラルドの瞳は麗しく、高貴でフェミニンな気品さえ漂うのだが、体つきはガッシリとして頼もしい。


「俺とお前は……もう他人ではないんだから、な?」


「…………え…………?」


ぼうっと眺めていた蒼のそばに、青年がそっと近づく。


「えっ…え、えええ…ああ、ちょ!!!」


青年の腕が蒼の背中にするりと回る。ごく自然に。




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