俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
雲の中…蒼は、冷たい霧の中へと吸い込まれた。

顔がヒリヒリするほどの温度と真っ白な世界。

冷蔵庫に閉じ込められた錯覚さえ感じて、震えながらもっと上へ上へ。





霧を抜けると―――………



「うわあ………」



天井に海があるみたいに、真っ青な世界が蒼を待っていた。



足元はどこまでも続く綿毛のような雲。


蒼の視界には全て、青、青、青。


「海の中…みたい」

「あ? どういう意味だ?」




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