俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
蒼はそっと彼の顔色を伺った。

彼は少し目を閉じて何やら考えているようだったが、「ふん」と口先で笑って蒼を見た。


「お前がそう呼びたければそうしろ。俺と蒼は、他人じゃないワケだしな」

「その、他人じゃない発言が気になるんだけど」

「指輪をはめたろ? レヌアーヌス家の契約の指輪に」


フレンは蒼の左指に視線を落とす。


火傷のようになってハッキリとその存在感を示す、その左手の薬指。


「契約の指輪?」

「力を与えてやる代わりに俺様の忠実な下僕になるんだろ?」




「は?」




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