俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「俺様の国を助けろ。そして――」

「ちょ待て待て待て待てえーい!」


蒼が慌ててフレンの言葉を遮って、もう一度、先ほどのセリフを思い返す。


「忠実な、下僕?」


「光栄だろ?」


「そんなわけないだろ! そんなの聞いてねーし!」


「聞く前に指輪をはめたのは蒼のほうだろ?」


「うっ…それはそうだけど…」


蒼は唸りながら頭を抱えた。
< 54 / 353 >

この作品をシェア

pagetop