俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第三章 代償
「キャプテン、上、上!」
声につられて蒼はふらっと空を見上げた。
いつも通りの、8月の空。
水色の壁に、白の綿がところどころに散らばって…
「あ……」
パコン!!
「いったああっ!!!!」
あまりの激痛に蒼は頭を抱えてしゃがみこんだ。
足元には先ほど蒼の頭上を直撃したボールが、情けなく転がっていた。