俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「目が覚めたか」
声に気がついて、フレンが蒼を覗き込んだ。
「フレンが助けてくれたんだね」
「俺? …お前がやったんだろ?」
「え……?」
二人の男が現れてから逃げることに夢中で、何が起こったのかを蒼の記憶は曖昧だった。
「一人の男を黒コゲに、もう一人は雷で感電か。やるじゃねえか!」
「………え………?」
切れ切れの記憶が、段々と鮮明に蘇る。
「……違う……」
「あ?」
「私が……私がやったんじゃないわ!」