俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第四章 14歳
「きゃあ!」
台所でネギを切っていた蒼ママが、背後の気配に気づいて叫んだ。
「ちょっとお、帰ってるならただいまくらい言いなさいよね」
「あ…うん…ただいま」
蒼はふらふらと冷蔵庫の前にたどり着くと、麦茶の入った容器を取り出してコップに注ぐ。
「今日のお昼はそうめんだけど、いい?」
「あー、まだいいや…ちょっと昼寝する」
蒼は、コップに溢れんばかりに入ったお茶を無理やり喉に押し込んだ。
「今日は日差しが強いから。疲れちゃったんじゃない?」