ママが女に戻る瞬間(とき)
駅から徒歩5分のホテルへ着いた。

ちょっとおしゃれをしてきたつもりだが、

周りは明菜よりもおしゃれな人が多かった。



『あぁ、服もずいぶん買ってないもんなぁ』



明菜は心の中で呟く。


ロビーを通ってエレベーターへ向かおうとした。

その時向こう側に知っている顔を見つけた。



『えっ!?あれは』



クロークから荷物を受け取っているあの男は…。




間違いなく明菜の夫だった。


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