ママが女に戻る瞬間(とき)
「ただいま~」

孝一の声が聞こえた。

明菜は小走りに玄関へ向かった。

「おかえりなさい」

「お昼おいしかっただろ?」

「うっ、うん。おいしかった」

孝一の事ばかり考えてしまったから味など覚えていない。

「有名らしいな。オレは知らなかったけど」

「あっ、あの…なっ、長崎さんだっけ?」

「あぁ」

「長崎さんが誘ったの?」

「お昼食べようと思ったらそこがいいって言われた」

「ふ~ん」



< 22 / 81 >

この作品をシェア

pagetop