ママが女に戻る瞬間(とき)

夫の寝顔を眺めては

ダブルのベッドに横になる。

明菜の左隣には夫の孝一が眠る。

『そうとう疲れてるね』

さっき布団に入ったばかりなのに孝一は寝息を立てていた。

明菜は仰向けの体制から左向きに動いた。

『こんなに孝一をじっくり見るなんてひさびさかも』

そう思いながら夫の寝顔を見つめた。

『鼻筋は通っている。

あごのラインは私好み。

結婚するときはかっこいいと思ったなぁ』

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