ママが女に戻る瞬間(とき)
「お待たせいたしました」

明菜の目の前のテーブルに商品を丁寧に置いた。

明菜は手に取る。

「こちらで4250円になります」

「それくらいならお財布にやさしいから助かります」

色味もメイクしてもらった商品に近い。

自分がきれいになるためにこれだけ買うのは久々だった。

「これください」

「ありがとうございます」

店員に会計してもらい商品を手に取って店を出る。

「またお越しくださいませ」

手に持っている紙袋。

なんだかきらきらして見えた。
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