ママが女に戻る瞬間(とき)
リビングにコーヒーの香りがひろがる。




「幸せ」




そう言うようにしている。

毎日同じで、確実に日々歳をとっている。

こんな毎日が幸せでなければ

生きている意味が見いだせないと

そう思えてしまうのだ。




「さて、掃除したら出かけなきゃね」




明菜は週に3日弁当屋のパートをしている。

子供たちにお金がかかる時期。

少しでも家計の足しにしたかった。

明菜は重い腰を上げて掃除をはじめた。
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