ママが女に戻る瞬間(とき)
『敵を褒めてど~するの!』

明菜は自分で自分にツッコミつつも

『嘘をつかないのが私のいいところよ』

と何度も心の中でつぶやいた。

「いいお嫁さんになると思う」

明菜は言うと

「部長みたいな旦那さんがいいな」

と言いつつ孝一の腕に手を通して寄りかかった。

「あ~部長ずるい」

「恵美ちゃん俺にもしてよ」

「だったら男になってくださいよ」

「恵美ちゃん、俺はどっからどう見ても男だよ」

「真の男はオーラが違うんです」

孝一は腕をはずすそぶりもなくただ

「はははっ…」

笑っている。
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