私の記憶が戻るまで…
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「あ…」
病室へ戻ると、慎がいた。
「検査、どうだった?」
「まだ、結果出てない…です。」
あたしが答えると、慎はクスッと笑った。
「敬語いいよ。…ほら、カレカノだし、」
えぇー…
「今も?」
「うん。…ちがうの?」
ちがうの?って…
この人、気にならないのかな。
「ちがくはない?けど、記憶ないし、…いいのかなって…」
まだ検査結果出てないけど…
「別に、記憶なんか無くたっていいよ。
歩美は、歩美だろ?
俺が好きだからいいんだよ。」
「……っ」
わ…やばい。普通に照れる。
この人、カッコイイな…
「…慎、くんがいいならいいよ。じゃあ今日から…も?よろしくね?」
「うん、よろしくな。
あっ、俺のことは慎って呼んで。
昔からそうだし。
それじゃ、そろそろ帰るわ!」
“昔から”って…
あ、そっか、
…そういえばお母さんが言ってたな。
幼なじみなんだっけ。
「うん、慎バイバイ」