私の記憶が戻るまで…
「別に泣きそうなんてない。
そうやって決めつけないで!!」
優は、私がつらいと思ったときに、いつも傍にいる。
自分が上手くコントロールできない。
「そんなこと言うなんて、らしくないぞ。」
優が言った。
「は?らしいってなに?
カウンセリングをしても、何も思い出せないの。
優にこの気持ちが分かるの?
足を骨折したって治るでしょ!?
私は、一生思い出せないかもなんだよ?
梨花のことも、慎のことも、もちろん優のことも。
優が私といた時間を私は知らない。なんで記憶なくなっちゃったんだろ…」
私の頬には、いつの間にか
涙がつたっていた。