私の記憶が戻るまで…

「えっ?本当!?」

「本当だよ。今日は、結婚式の招待状渡しに来た。
…お前ら、俺を結婚式に呼ばなかっただろ?」

慎が、笑いながらそう言った。

う…確かに。

「だって、行方不明って思ってたからどこに招待状送ればいいか、分かんなかったし…」

私は申し訳なさそうに言った。

「…冗談だよ。そんとき俺刑務所入ってたし、どっちにしたって行けねぇよ。
とりあえず、幸せにしてるなら良かった。」

慎………

「ありがとう。慎も、その人と幸せになってね?」

私が言うと、慎は
「当たり前だろ」と言い、私たちは、笑った。

…そっか。
慎にも、大切な人ができたんだ。
今まで色々あった分、慎には幸せになってほしい。

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