私の記憶が戻るまで…
あ、慎だ。
今日も来てくれたんだ…
慎は毎日お見舞いに来てくれる。
…それと同時に私も、なんとなく慎を好きになり始めている。
「慎!」
あたしは慎のもとへ駆け寄る。
「おっ、歩美!ここにいたのか。探した、ってか何であいつといんの?」
探してたんだ、私のこと。
「慎、あの人のこと知ってるの??あの人、さっきから喋りかけてくるんだけど…」
男は、足を引きずりなからこっちへ向かってきていた。
「えっ…あぁ知らねぇけど、男と喋ってたから妬いた」
「……っ」
こういうとき、困る。
どうしよ。…照れる。
慎はそういうことをサラッと言ってしまうから。
「そっ…か。」
顔が火照る…
「歩美、先病室帰ってて?俺あいつと話してくるから」
「え、いいよ!悪いし。」
「でも、もしあいつにストーカーとかされたら嫌だろ?大丈夫、もう喋りかけんなって言うだけだから。」
す、ストーカーって…
考えすぎな気もするけど…
「…ん、分かった。じゃあね!」
私は病室に戻った。