嘘とメールと夏休み
「鮫島って、結構腹黒いよな」
「えっ、そそそんなこと…」
「噛んでる噛んでる。同様しすぎ」
ははっと椎名君が笑った。
腹黒いのくらい、知ってるよ。
「でも、そこが好きー」
そう言いながら、私に抱きついた。
なんで、男の子はこんな素直に好きって言えるんだろう。
不思議な動物だ。よくわからないや。
「なあ、鮫島」
「ん?」
耳元でささやかれる。
何これ、前もあったぞ。
「さっき、泣いてた?」