嘘とメールと夏休み
花火 Ryou's said
ほんのちょっとの、重なるだけのキス。
驚いて目を開けたままの私。
その私の目には、花火の光がきらきらと散っていたのが写った。
そっと離れた後、椎名君は何もなかったかのように私に聞いた。
「花火…どうする?会場に行く?」
そっか、飯田さんから逃げる必要はないんだ。
というか、元々なかったんだ。
でも…、
「いや、いい。ここで見たい」
「そう、わかった」
もう少し、あなたとふたりだけでいたい。