嘘とメールと夏休み
「椎名君頑張るんだ」
「おう、超頑張る」
「ははっ、ファイトだよー」
鮫島は全然冗談にしか思っていない。
まあ、いいよ、そのうち目からうろこ出させてやるから。
歩いていると、鮫島の左手と俺の右手がぶつかった。
すると、急に右手が冷たく感じた。
右手を見てみると、鮫島の左手があった。
鮫島の手はひんやりしていて、気持ちがいい。
「鮫島の手、気持ちいい」
「ははっ椎名君、手あっつい」
「だって、ドキドキしてるもん」
鮫島の笑う声が止まった。
きれいな瞳で俺を見る。