嘘とメールと夏休み


居間の横には和室がある(とは言っても、俺の家は全体的に和式である)。
その部屋には、デスクトップのパソコンがある。

パソコンの電源をつける。
旧型だから、おそらく10分はかかるだろう。
ウイィィーンと起動する音がなる。



都会とはおせじにも言えない、この町。
『携帯電話』というものを同年代で持っている子は少ない。同じクラスで持っているのは、飯田や朝倉、秀吾と笹原ぐらいだろうか。
『携帯電話』に憧れ、メールをするためにパソコンを使う者は多い。
もちろん、俺もそのうちの一人だ。

メニューボタンを押し、電子メールを開く。
やはりメールが数件届いていた。










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