嘘とメールと夏休み


「え、でもいいんすか?女子の家行くの」
「は?あんた襲う気?」
「いや、そういう気じゃないっすけど…。てか、襲うとか言わないでください。生々しい」


生徒がいることも気にしないで、安川先生は煙草を吸い始めた。
おいおい、あんた本当に教師かよ。
ふーっと煙を吐き出しながら先生は続けた。


「とりあえず、このプリントを鮫島さんの力を借りて全部解けるようになれば大丈夫よ」
「え、これ全部プリントすか?」
「そ。国数英理社それぞれ30枚ずつ」
「え?」


さきほど先生が抱えてきた紙束は、俺のためのプリントだった。
いやいやいや!嘘だって!無理だって!




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