嘘とメールと夏休み



「絶対言えよ」
「そうそう。飯田じゃないだけ嬉しく思えよ」

落ち込んでいた俺の背中を彰人や秀吾たちが叩いて行く。
「飯田に何の関係があるんだよ」俺がそう言うと秀吾はにやけた顔で言った。

「飯田だとマジっぽすぎで駄目だろ?」

飯田というのは同じクラスの子で、俺が女子の中で一番仲がいい奴だ。サバサバしてて一緒にいて心地いい。仲が良すぎるせいか、付き合っているのかとよく聞かれた。
もちろん付き合ってなどいない。

にやけた顔でそう言ってきた秀吾に「意味わかんねえ」と吐き捨てた。秀吾は相変わらず「照れんなって」と肘で突いてきたが。

「とにかく、早く言えよ」
「夏休み入るまでは絶対なー」

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