嘘とメールと夏休み


「それ、もしかして浴衣?」
「そうだよ。汚さないでね」


浴衣がはいってる袋に触ろうとした朝倉君をぺしっと叩く。


「んま、着付けされたの椎名より早く見れるからいいけど」


涼しげな水色のタンクトップを着た朝倉君は、いじわるそうな顔をして笑う。


「朝倉君、へらへら笑ってて気持ち悪い」
「うっぜ」


もう一度、脳天を勢いよく押される。


約束の時間まで、あと6時間。





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