嘘とメールと夏休み


それから真面目に黙々と勉強に取り組んでいた。
鮫島の約束の時間がそろそろなようで。


「浴衣着付けしてもらわないと」
「はいはい、ちょっと待ってねー」


内線を使って母を呼ぶ。
今行くわよーっと甲高い声が受話器の中から聞こえてくる。

数秒後、母はすぐきた。
そして鮫島を見るなり、


「うひゃあ!可愛い!何コレ、やっばい!」


鮫島の顔をベタベタと触り回す。



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