嘘とメールと夏休み



そんな事できるわけがない。鮫島にも迷惑がかかるだろ。

それにフラれたらどうすんだ。俺、立ち直れる自信ないぞ。
それにまともに話したことないし。

ふと、鮫島のほうを見てみると窓の外を眺めていた。
一瞬、風が吹いた。クリーム色のカーテンがはらりと揺れた。


鮫島の髪もなびく。眩しそうな顔をして、柔らかそうな髪を耳にかける。


思わず彼女から目を逸らしてしまった。見ちゃいけないようなものを見た気がした。
まるで、この世に舞い降りてきた天使みたいな。


綺麗すぎだ、馬鹿。




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