嘘とメールと夏休み
鮫島が家の中に入ったのを確認してから、朝倉は俺のほうを向いた。
「鮫島もだけど、あんた言いすぎ。鮫島の気持ちもわかんだろ」
おまえに何がわかる。
鮫島のことなんて、なんとも思っていないくせに。
「彼女泣かせてんなよ」
それだけ言って、朝倉は立ち去ろうとした。
しかし、一歩進んだだけですぐ止まり振りかえった。
「あ、あと俺、鮫島のこと好きだから」
よろしくね、そう言って奴は家の中に入って行った。