嘘とメールと夏休み


幸い帰り道、誰にも会うことはなく無事家に帰ることができた。
両親は親戚の家に泊まりがけで出かけているし、弟は友達の家にお泊りだ。


家の玄関で彼に麦茶でも飲んで行くかと尋ねると、さすがにそれは殺されるからと断られた。
確かに、もしかしたら私も殺されるかもと言うと、彼は苦笑いをした。


気をつけて帰るように、それだけ行って家のドアを閉めた。
誰もいない静かな家は、私の歩く音が小さく聞こえる。




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