嘘とメールと夏休み
アイスを食べ終わり、勉強が再開した。
「そこ、間違ってる」
「え、嘘。どこ」
「移項するときの符号」
「あ、いてっ」
また蹴られた。
ふふんと鮫島は笑う。
「それくらいわからんで、よく清明行く言えたもんだわ」
「別にええがな」
げしげしと蹴り合いを繰り返す。
はたから見たら多分、お似合いのカップルだと思う。
周りのだれよりも一緒にいると思う。
でも、なんで鮫島は俺のじゃないの?