嘘とメールと夏休み


気付くと朝倉君の腕に包まれていた。


「ちょっ…」
「黙って聞いて」


耳元で声がする。知らなかった、朝倉君ってこんなに声低いんだ。


「俺、鮫島のこと好きだよ。超好き。やっべえ好き」
「だからっ…」
「いいから。全部話したら離す」


朝倉君は私に話させようとしない。


もういい、終わるまで待とう。
そう思うと自然と力が抜けた。



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