嘘とメールと夏休み
ああ、そっか…。
「椎名みたいなことはしない。鮫島を一番に思っていれる」
私は、朝倉君といたほうがいいんだ…。
「本当に俺、鮫島が好きなんだ」
朝倉君の抱きしめる力が強くなった。
ちょっと苦しいよ、あんた殺す気でしょ。
「だから鮫島、俺のになってよ」
朝倉君の声は少し震えていた。
ゆっくりと朝倉君の力が弱まり、今度は肩を掴まれた。
どんどんと朝倉君の顔が近付いてくる。
もう、どうだっていいや。
一瞬、時間が止まった気がした。