嘘とメールと夏休み
『罰ゲームがあったから、こうしていられると思うんです』 Ryou's said
勇気
ゆっくりと朝倉君の顔が離れた。
そして、驚いた顔で私を見た。
私の目から流れる涙は床に落ちて、小さなしみとなった。
「ごめんっ、ごめんね朝倉君っ…」
何度拭いても、涙は止まることを知らない。
「…、俺もごめん…」
「朝倉君はっ…悪くっ、ない…」
朝倉君は、優しく私の涙を拭き取った。
そして、笑いながら、
「俺のことはいいから、行ってきなよ」
と言って、私を部屋から出した。