嘘とメールと夏休み
神社で
走り出した足が止まらない。
まっすぐ神社へと向かっていた。
「椎名君っ…」
もう、ほとんど体力は残っていなかった。
はあはあと息を切らしながら、神社へと走る。
サンダルで全力疾走するのはきつい。
じんじんと痛んできた。
やっと神社に着いて、境内のあたりを見渡してみる。
椎名君らしき人の影は見当たらない。
そりゃそうだ。
約束の時間はとっくに過ぎている。
椎名君がいなくなったって、当然だ。
「鮫島?」
突然、後ろで声がした。