嘘とメールと夏休み
「なんだ、じゃあ俺ら本当に前から両想いだったんだ…」
急に、椎名君の声のトーンが低くなる。
そうかもね、小さい声で呟く。
「俺、もっと早くに告ればよかった…。罰ゲームなんかじゃなくて」
いや、でも…。
「私、あんな罰ゲームがあったから、こうしていられると思うんです」
だから自分を責めないで、そう言いながら彼の頭をなでる。
「餓鬼みたいに扱うなよ…」
そうやって拗ねる椎名君。
「だって、可愛い」
そうやって笑ってみせる。