大海の一滴
私脚本、私達主演の物語はこうです。
あるところに、お姫様がいました。
お姫様は玉のように輝く美しい双子を生みました。(姉→あなた。「妹」→私)
双子の姫は、その愛らしさで誰からも好かれたのです。
それを妬んだ魔女は、双子の姉妹を呪い殺そうとしました。
その「策略」を知った妖精達は、あらゆる薬草をかき集め、なんとか魔女の呪いを弱めることに成功しました。
しかし、弱まったとは言え魔女の呪いは強く、結果姉の姫君は深く暗い海へ流され(あなたの人生から参照)妹の姫の方は不治の病に侵されることになったのです。(私の人生から参照)
とまあ、掻い摘んだらこんなストーリーですが、もちろん間にはもっといろんなことが起こります。
例えば、魔女の甘い「誘惑」に惑わされ、王様を裏切ってしまう大臣たち。二人の姫のどちらを次の王女にするかと始まる、醜い「派閥」争い。(「抗争」?)
などなど、ついつい妄想が暴走してしまうのは、何もない病室に囚われているせいです。許して下さい。
それにしても、この金持ちと医者が「結託」して作った、「陰謀」の匂いがぷんぷん漂う鉄格子と「罠」だらけの病院を、いとも簡単に潜り抜けてしまうあなたの勇ましさ。
「策略家」達も真っ青です。
そのたくましさは、みんな大好きピーターパンのようです。
私があこがれる永遠の「リーダー」です。
あなたの私生活は、病院しか知らない私にとって「刺激的」で「愛情」に溢れ、うらやましい限りです。
中でも、私はあなたが話す彼氏の話に「魅了」されました。(そう言えば、結局彼氏の名前を聞かずじまいで、ちょっぴり残念です)
とは言え、こんな私でも実は初恋を経験しているのです。
そしてあなたが彼氏の話をする度に、私はその初恋の君を思い出します。