大海の一滴

「お忙しい中お時間を頂き、ありがとうございます」



(??)



 一瞬、懐かしいような不思議な感覚に襲われた。


(何だ?)
 思案に暮れながらどうもとお辞儀を返すと、早瀬先生の表情にも困惑の色が浮かんだように見えた。


「先生! どうぞ」
 その空気を美和が嬉しそうに打ち破る。
有無を言わさず早瀬先生の腕を掴み、強引に中へと招き入れた。



「あ、どうぞ。おあがり下さい」
 我に返った達之も慌てて笑顔を作った。





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