大海の一滴
 
 遠く、小さな海を眺める。


 海は、日光にきらめいていた。


 ハア~。

 麗子の溜息は、まるで呼吸のように繰り返し続ける。

 

 精神的に不安定な私が、生徒達を正しく導けるはずが無い。

 子供達は、特に小学五年生という時期はとても多感なのだ。
心身共に大きく成長していく大切な時期なのに……。


 私がこんなだから、クラス内の雰囲気も悪くなる。




 先日の図工の時間が思い出された。




(原因は、たぶん、渡辺まゆみさん……)





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