大海の一滴

 二つ年下のバーテンダーの彼と同棲を始めたこと。

 最近、その彼との年齢差を感じること。

 常にプラス思考の彼にイライラすること。



 生活リズムの違いで殆ど家に彼がいない状態に、何故かホッとし、そんな自分に嫌悪すること。




 毎日、最近明け方まで眠れないこと……。




 ハッと口をつぐんだ時には、ほぼ全てをさらけ出していた。麗子は呆然とした。






「大変ね」





 そう、言われたら死にたくなる。そう思った。



 けれど予想に反して、秋野さんは何のコメントもしなかった。







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