記憶喪失の元カノにモノ申す!!
「黒田さん家の??」
紫水は嬉しそうに笑った。
この笑顔、俺は好き。
「うん、そこはしってんだ??」
今の俺の表情、きっとここ最近で
一番いい笑顔だと思う。
「うんっ!!
お母さんが、黒田さん家の
みどりくんゎイケメンよって
言ってたからっ。
確かに…イケメンだねっ!!」
「…ありがとう」
俺はふと、昔を思い出した。
そして悲しくなった。
やっぱり、今の紫水は
昔の紫水じゃない。
『しぃは、みどりみたいな顔
カッコいいとは思わないから』
俺にいつも言ってきてたよな。
付き合ってからも
言ってきたしな。
うん、嬉しい反面、
悲しい…かな。
「あ、今から学校??」
俺は紫水の制服を見て、
思考回路が再び止まった。
「あ、うん。
明後日から行くから今日は下見に♪」
紫水は照れ笑いを浮かべながら、
セーラー服に目をやった。